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第45回 千葉県学校事務研究大会
平成17年10月18日
千葉県文化会館・千葉県教育会館会
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主な内容
・第45回千事研研究大会報告
・文部科学省行政説明
・全体研修会 「学校事務の共同実施を探る」 千事研本部
・第一分科会報告 「子どもが生き生きとする学校事務!」 印旛地区
・第二分科会報告 「香取地区新たなる扉を拓いて」 香取地区
・第三分科会報告 「学びから実践へ」 長生地区 |
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研究究大会報告
各地から紅葉のたよりが聞こえ始めた10月18日、千葉県文化会館をメイン会場に、第45回千葉県学校事務研究大会が「教育を生かす主体的な学校事務のあるべき姿を求めて」をテーマに、県内外より1,122名の参加者を迎え、盛大に開催されました。
開会式の挨拶で、栗原会長は「これまで国が進めてきた三位一体の改革は、今後厳しさを増し、地方分権という形で間違いなく進んでいくと思われます。そのような状況下において、11月に中央教育審議会が、義務教育費国庫負担制度等について答申する予定です。
これから講演していただきます文部科学省の行政説明の中でもお話があると思いますので大変期待し、また危機感を持っているところです。この状況を踏まえて、本日の本部提案及び各地区の提案は、時宜を得た内容になっていると思います。本日の研究成果を学校現場に十分生かしていただくよう期待しております。活発な意見交換、協議をよろしくお願いいたします。
私は、児童生徒の健やかな育成を支える学校事務、学校にいなければならない事務職員であるということを常に考えております。皆様も是非この研究大会において『学校にいなければならない』という視点から積極的な参加をお願いしたいと思います。」と述べました。
引き続き、来賓の方々からご挨拶をいただき、その後、文部科学省初等中等教育局財務課課長補佐松浦晃幸氏による講演がありました。
全体研修会では、千事研本部から、「学校事務の共同実施を探る」というテーマで提案があり、午後は3分科会に分かれ、活発な討議がなされました。
義務教育の根幹が揺らぎかねない厳しい状況の中で今、なぜ事務職員が学校に必要なのか、すべきことは何か、その方向性を指し示してくれた研究大会となりました。
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全体研修会 千事研本部
学校事務の共同実施を探る
―何を期待され、何ができ、何をすべきか―
千事研が長年に渡って研究してきた「職務内容」については、県より平成15年3月に各市町村教委宛に通知がされ各地区で定着しつつあります。
職務内容の研究と同時期に中教審から出された答申の提言をうけ、千葉県では平成11年度から共同実施の研究が始まりました。そして、この4月からは複数配置の基準が、大規模校から共同実施拠点校へと替わりました。
学校事務のブロック化やグループ化の構想は平成7年の全事研岐阜大会において提起され、その後全国各地で試行錯誤を繰り返し、地域にあった形態(支援センター方式やブロック方式)へと変化しています。
平成17年4月現在県内では、拠点校42校・加配校16校で、共同実施の取り組みが行われています。また加配や拠点校としての事務職員の配置がなくても、多くの地区で学校間連携や協働を行っています。共同実施は、情報の共有化、質の高い事務の提供などの様々な支援が可能です。よりよい共同実施をめざし、
「共同実施の実践に向けて」【@はじめに 共同実施(組織)の基本構想をつくる A理解と協力を求めよう B運営・実践を進めよう C実践したことを見直そうD問題点を整理し課題解決及び次年度の目標について話し合おう】が提示されました。
今後の課題としては、共同実施要綱や規程等の条件整備、地域を含めた理解協力が得られるように事務職員自身の意識改革と教職員を含めた地域へのアピールが必要です。またリーダーを中心とした組織運営に慣れることや担当者の役割を明確にする必要性もあげられました。
助言者の佐々木氏より校長の立場から、「自ら課題を見つけて解決することができている。共同実施は年齢や経験の差を克服でき学校運営上にも必要なこと、他者に周知し理解を得る必要がある。心身ともに健康で事務のプロとして頑張ってもらいたい。」とエールをいただきました。また教育庁の中村氏からは、「今年を共同実施元年とし、自由な発想でできることを提示し、実践に役立ててほしい。県教委へも提案してください。
地区のリーダーの方は積極的に活躍して、共同実施で事務職員自身を生かす方法を主体的に考えてください。」というお話がありました。
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第一分科会 印旛地区
「子どもが生き生きとする学校事務!」 ―標準的職務の具現化により学校運営の活性化を図る―
多くの会員が集いながらも静かな中に印旛地区の提案が始まりました。
教育を取り巻く状況が大きく変わろうとしている中、学校事務職員の果たすべき役割を明確にし、専門性を高め学校経営の一翼を担えるよう努めていきたいと考えます。印旛地区は7市2町2村で構成され、公立小中学校156校、事務職員169名が配置されています。
平成15年度中に11市町村に「事務職員の標準的職務について」の通知が出され、標準的職務の実現と定着に向けた取り組みが行われています。これには共同実施による事務組織の構築が重要です。市町村での通知後も標準的職務の充実に向け検討する中、校務分掌の見直し、企画委員会への参画、事務主任発令が行われ、現在は処務規定の策定等の研究を進めています。
標準的職務の具現化に向けた取り組みとして、印旛地区全体に定着に向けてのタイムスケジュールを示しました。財務事務への取り組みとして栄町の実践例、教育支援に向けた共同実施の取り組みとして各市の状況があげられました。今後の課題は各地区のリーダーが中心となって、教育支援者として総括する事務職員となり、地区全体に定着させていくこと、そして共同実施の研究と推進です。教育支援に向けた共同実施の展開により、学校
にいなくてはならない事務職員として実践を積んでいくことが重要ですとの提案がありました。
協議では@標準的職務の取り組みについて 船橋市より事務主任発令と専決の保留等の課題、また八街市より企画委員会への全校参画、公務分掌への位置づけ、処務規定の策定に向けた取り組み等の状況についての話がありました。A共同実施要綱が出された市町村の経緯について 君津市から共同実施運営委員会(中学校区)の立ち上げ、要綱の制定、教職員向けリーフレットの作成等の話がありました。また、館山市の状況、加配職員となった方の話がありました。
助言者からは、事務の仕事が学校の中でどのように位置づけられ、参画していくか。予算の状況を考えると、予算委員会で効果を問い直す必要もあるのではないか。
共同実施の運営もみんなで知恵を出し、多くの発想の中からうまれてくるのではないか。職を確保して、学校のためにいるのだと自覚と誇りを持ち、責任ある一職員として動いてほしいとの力強いお話がありました。
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第二分科会 香取地区
「香取地区新たなる扉を拓いて」
―学校経営に参画する4つの挑戦−
香取地区は、「事務職員の標準的職務について」の通知が出される以前から、一人ひとりに与えられた課題を解決するために、様々な角度から研究を進めてきました。通知が出されたことにより、これらを具現化し、PDCAのサイクルにのせるために、次の4つの課題に挑戦しました。@事務室経営案の定着A予算委員会の設置B香取地区におけるネットワークの構築C共同実施の推進です。学校事務を総括するために事務室経営案の作成に取り組み、校内での提示、評価・反省へとステップアップしていきました。これらの体制を整えることで学校経営における事務組織の整備確立、機能強化を目指すことができると考えます。
佐原市では加配を契機に共同実施に取り組み、事務部門を強化し、よりよい教育支援をするため、「実施要項」の必要性を関係機関に働きかけ、平成17年に「共同実施(学校間連携)」実施要項が県内で初めて出されました。今後、これを実効あるものとするためには、リーダーの在り方が大きな課題です。そして、総務・人事・財務の領域を充実させ、積極的に経営の中核を担うことが、学校事務職員が「学校にいることの意義」につながるのではないかという提案がありました。
提案に対して、共同実施のリーダー養成の方策について質問があり、事務長会での啓発活動と、共同実施のグループリーダーへの報告書の義務付けで意識改革を図っているとの状況説明がありました。協議では、東金市の共同実施組織づくりの経緯について、組織の構成や事務量の学校間格差の問題、管理職への働きかけの重要性等の話がありました。また、柏市より共同実施検討委員会の立ち上げ、職務標準の研修と共同実施を結び付けて考えることの必要性について話があり、それぞれの課題解決に向けた熱心な討議がされました。
助言者より、事務部経営案の内容の充実と評価のサイクルを確立することが今後の目標であり、それにより事務職員が学校組織の中で何をするべきかが見えてくる。また、企画委員会への参画については、ただ情報を得るだけではなく、積極的な提案をしていくことが重要である。共同実施により生まれる時間的な余裕が学校経営や教育活動支援につながるような研修に結び付いていくことを期待している。各地区の取り組みを情報交換し、より良い共同実施組織を作っていってほしいというお話がありました。
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第三分科会 長生地区
「学びから実践へ」
−積極的に学校経営に参画する事務員職をめざして−
1市5町1村から成る長生地区には44校の小中学校があり、46名の事務職員が配置されています。
特色ある学校づくりが求められる中、事務部の総括者として積極的に学校経営に参画していくことをめざし、事務部経営案の研究を進めてきました。
基本となる標準的職務内容の通知に向けては、課題の精選、課題解決に対する事務職員の役割等をまとめて市町村教育委員会に働きかけをしました。結果、5市町村に於いて通知はされましたが、環境の変化は少なかったと感じている事務職員が多く、学校事務の重要性を理解してもらうために一人ひとりがより積極的かつ創造的に取り組む必要があると考えました。
事務部経営案がその手立てになると考え@事務部経営案の機能と活用の方法A事務部経営案の形式B事務部の評価についてまとめました。実践例としては水上小学校の取り組みがあげられ、昨年度は事務部経営案の作成にあたって事務職員だけで進めるのではなく教頭との協議が必要であることや、事務部全体としての視点が必要であるという課題が残ったが、今年度は教頭と協議を重ね、校内組織の見直しまで発展したという報告がありました。内容はもとより提案者が舞台中央に立ち、表情豊かに客席に語りかけるような発表に、参加者は目を奪われました。
意見交換では「職務標準・事務部経営案等、事務長と主事が同じでよいのだろうか。」という問いかけに「共同実施によりフォローしていけばよいのでは」という意見がありました。事務室で仕事をしているだけでは存在をアピールしていけないのではないかという声もありましたが、職務標準の通知後もより具体的なマニュアル作りを進めている地区、新採教員に対する校内指導に事務職員が関ることで学校経営参画をしているという学校からの報告もありました。
助言者からは、健全な学校経営とは教務部と事務が車の両輪として運営する事である。学校事務の重要性を自他共に理解し、させることが必要である。そのためには、事務部の職務内容を整理し、総括者として学校全般を見渡していかなければならない。また、学校内外行事やPTA活動にも積極的に参加し、児童生徒・保護者・地域・同僚から信頼される事務職員になって欲しいというお話がありました。
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