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研究 【Study】

第46回 千葉県学校事務研究大会

平成18年10月24日
千葉県文化会館・千葉県教育会館会

主な内容

第46回千事研研究大会報告
全体研修会   「第2次中期研究計画のまとめ」 千事研本部 
第1分科会報告 「もとめられしもの、おくりたしもの」 君津地区
第2分科会報告 「どうする?こうする!?これからの情報管理」 東葛地区
第3分科会報告 「あつめて・つないで・いかそう!」 安房地区


研究大会報告

 去る10月24日、千葉県文化会館をメイン会場に第46回千葉県学校事務研究大会が開催され、強い秋雨を物ともせず1,000人を超える参加者が集いました。

 開会式の挨拶で栗原会長は「今、私達公務員に対する状況は大変厳しいものがあります。義務教育を中心に毎日新聞紙上をにぎわしています。内容は様々ですが、これらの動向が事務職員にどう影響してくるのか、今後も新聞等の情報をお読みいただきたいと思います。さて、今年度は第2次中期研究計画のまとめの年です。今、各地区で職務標準、学校事務の共同実施の研究がなされていると思いますが、その中でどのような課題が生まれ、どういう実践が定着しているのかを本日論議していただき、皆様の活発なご意見をいただければと思います。パネルディスカッションでは第3次研究計画についてもお考えをお聞かせください。
私達の研究が子ども達にとってよりよい教育環境を作っていくこと、学校事務職員制度の確立を早期に実現していくことが千事研の責務であると考えます。3地区の提案についても各職場に持ち帰り、今後に役立てていただきたいと思います。」と述べました。

 続いて来賓の方々から御挨拶をいただき、その後、千葉県教育委員会教育次長榎本剛氏による行政説明がありました。

 全体研修会では、千事研本部より「第2次中期研究計画のまとめ」の提案とパネルディスカッションがあり、午後は3分科会に分かれ、テーマ毎に活発な討議がなされました。

 会員一人ひとりが積極的に参加し、教育を生かすために学校事務職員として果たすべき責任と役割を自覚した研究大会でした。


全体研修会 千事研本部パネルディスカッション

「第2次中期研究計画のまとめ」
─ 描こう語ろうこれからの学校事務─

 平成16年度から3年計画で研究を推進してきた「第2次中期研究計画」のこれまでの取り組みについて報告がありました。
 「職務内容に関する研究」では、各地区での定着と実践に向けて、通知状況の継続調査や会員への報告を積極的に行い、予算・校内委員会や校内諸規程、財務に関する要綱など、教職員の理解や保護者への説明責任が果たせる財務事務の研究を進めています。また、「共同実施に関する研究」では、共同実施モデル地区に事務職員の兼務発令が出され、組織確立のために法的整備の策定や、共同実施における具体的な教育支援、職務標準の通知との関連性などについて調査・研究を進めているところです。
 今後は、職務内容の定着や共同実施の実践から事務職員のあるべき姿や責任と権限、評価などを視野にいれた研究を進め、教育活動のより一層の理解と、一歩進んだ教育支援のあり方について考えていく必要があると提案がありました。

 続いて、「第2次中期研究計画のまとめ」を基に第3次研究計画への課題と方向性についてパネルディスカッションが行われました。「標準的職務通知後、各学校では校務分掌の見直しが行われ、企画委員会への参加等により学校経営への参画を目指しているが、教職員の十分な理解を得るために職務内容の研修を設ける必要があり、事務職員自身もキャリアアップをしていかなければならない」とこれからの事務職員のあり方についてお話がありました。
 共同実施モデル地区の松戸市・香取市からは、「兼務発令により若年層の事務職員への支援や連携校での書類検閲などが容易になった」「リーダーとしての責任と自覚を持った」との実践報告が挙げられました。

 最後にパネラーより「これからも千事研と各地区との連携を密にし、課題を明確にするとともに、成果を子どもたちに還元できる研究を推進していってほしい」とのお話がありました。


第1分科会 君津地区

「もとめられしもの、おくりたしもの」
─ 事務研コンテンツの研究とリフォームを通して─


 袖ヶ浦市・木更津市・君津市・富津市の4市で構成されている君津地区では、諸制度の改革の流れに対応できる学校事務を支援する機能やシステムの構築を目指し、事務研究会の役割について研究を進めてきました。

 事務研究会に求めたいものやできそうなことを事務研究会の視点で捉えていくなかに、事務職員が利用して実効性のあるホームページの作成と、研究組織のリフォームがありました。事務処理全体を網羅した管内統一マニュアル「学校事務必携」は電子媒体への移行をすすめ、加除追録時期の遅れ・内容の増加等の問題を解消しています。ホームページを利用した事務研コンテンツの研究では、情報発信やコンテンツの開発を含めたICT活用を進め、事務の効率化や事務職員の情報交換・連携の推進を図りました。今後、内容の充実や有効性を確認し、本格運用に移行していきたいですと提案がありました。
 協議では@地域の事務研究会組織の現状と役割 AICT活用 Bこれからの事務研究会による学校事務、事務職員支援を討議の柱として意見交換がなされました。
千葉市からは「事務職員が市役所システム課長より情報化推進担当者の職指定を受けている」、市原市からは「市事務職員会が共同実施のリーダーシップをとっている」といった各市の現状の他、「研究会組織は業務内容に直接関わる事ばかりでなく学校経営や教育への関わり方等について研究していくことも必要ではないか」といった意見も出ました。

 助言者からは、「ICT活用は効率よく作業(事務)を進めるためにどう協力できるか、ネットワークにより繋がる事をどう生かしていくかである。教員とは違う面での質の良い情報を地域・家庭に提供していって欲しい、各市・学校規模によりできることに相違はあるが、何を研究していかなければいけないのか、求められているものはなにかを見直し、その役割を果たすため積極的に研修・検討してよりよい組織を作っていって欲しい」といったお話がありました。


第2分科会 東葛地区

「どうする?こうする!?これからの情報管理」
─ 学校における個人情報保護について考える─

 平成17年4月に完全施行となった「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)の概要と背景を踏まえ、個人情報保護を学校経営という視点からどうかかわっていくべきか研究を進めてきました。

 千葉県個人情報保護条例を基に、@収集(利用目的を特定し適法・公正な手段)A保管(作成部数・管理場所や方法・廃棄方法・管理責任者の一覧表により、紛失や管理状況の不備の早期発見)B取り扱い(パソコンの管理、校外への持ち出し・放置、外部との対応)C外部委託(業者の安全を確認)D廃棄(確実・迅速)E紛失・漏えい事故(発生時の対応マニュアル、原因や責任の究明、再発防止策検討、信頼回復)F研修(条例の理解、漏えい事故の事例、意識向上)等、具体的な対応策をまとめました。収集の際は説明不足による誤解のないよう注意し、また、少しの気の緩みが大事故に繋がる情報漏えいは、学校の管理体制が問われます。児童生徒の安全や信頼を得る環境を整えるために、マニュアル・チェックリストの作成と活用、各自の定期点検が必要です。

 地区内全域の管理職・事務職員へ、施行後の取り組みや改善点・問題点等のアンケート調査を行なったことは実態を把握するとともに意識の喚起ができ大きな成果となりました。今後は、学校管理規則の学校文書(情報)管理規程の制定(情報管理の位置づけ)、情報保護と情報公開の兼ね合いが課題ですと提案がありました。

 協議では、個人のパソコンを使用する場合の届出、共同実施による書類の持ち出し、家庭環境調査等の内容の検討、庁内ネットワークなど各地区の取り組みが出されました。来校者名簿については、「個人情報保護と安全対策の目的で様式に相違があり、最低限の項目で気持ちよく来校できる配慮も必要なのでは」との声もありました。

 助言者の小野氏による重要な個人情報を重大な過失により紛失又は盗難にあった事例のお話は、改めて意識の薄さを感じさせるものでした。「県民の知る権利から原則として出すという情報公開と、特定の個人を識別できる個人情報は出さないという個人情報保護は、相反していて難しいため教職員の研修が必要」とのお話がありました。


第3分科会 安房地区

「あつめて・つないで・いかそう!」
─ 学校における情報収集発信基地をめざして─

 これからの学校事務職員は、学校運営がより円滑・効果的に進められるよう学校組織の一員として、学校事務を適正に機能させる役割を担う必要があります。
学校内外の情報をいち早く知る立場にあることを最大限に生かすことで、事務職員が学校経営に参画する手だてになるのではないかと考え、学校における情報収集発信基地を目指し研究を進めてきました。

 研究の実践として、@事務職員ネットワークの利用安房地区では研究を進める組織として特別委員会を発足しました。各事務職員へ意見や質問を聞き、必要な情報の配信を行うことにより、地区での書類を統一し最新の情報を活用できるようになり、課題解決にもつながりました。A連絡調整役 学校組織を強化するため財務事務のみではなく、情報管理や渉外として、学校内外の情報等をつなぎ合わせる連絡調整機能を果たすことが必要であり、収集した情報を「つなぐ」ために情報を整理し蓄積しておくことが重要です。また、職員間の日常会話から得ることも多いのでコミュニケーションも大切であるとまとめました。
 「事務職員は情報収集発信基地として企画委員会等で積極的に参加し発言しなくてはなりません。指導業務を担う教員と連携し、互いの立場を尊重しながら、企画運営にかかわっていくことが必要です」と提案がありました。

 意見交換では、事務職員ネットワークの利用については四街道市より「共同実施を通じたネットワークの実践」白井市より「個人情報の管理、メーリングリストの活用」連絡調整役については成田市より「校務分掌への位置づけ、処務規程の策定への取り組み」等の意見が出されました。

 助言者からは、「各学校や地域から、危機管理・情報管理について学校事務職員に求められています。学校のトータルプロデューサーを目指した事務職員像を構築し、意識改革を行うためにも企画委員会等へ参加して、事務職員からの意見・提案をしてほしい」というお話がありました。


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